■1. ハイテク企業、ローテク企業。
■2. コマンドZな電卓。
■3. キャラポンな製品。
■4. 他人の感覚で判断できる人、自分の感覚で判断する人。
■5. 自分の感覚でしか判断できない人。
■6. 経営者に求められる感性。
■7. 経営者と企画開発部。
■8. クレーマー、カスタマー。
■9. もっとも強いものづくり。
■10. 既存技術の融合。
■11. 要望のないアンケート。

■ラフィールドの考える「これからの企業と製品」をコラムシリーズとしてお伝えしていきます。
なお、ご意見やご質問がございましたら、お気軽にinfo@lafield.comへお問い合わせください。


■6. 経営者に求められる感性。

「きれいなものを見た時に、きれいを感じてください。気持ちいい音楽を聴いた時に、気持ちいいを感じてください。楽しい本を読んだ時に、楽しいを感じてください。おいしいものを食べた時に、おいしいを感じてください。いい香りを嗅いだ時に、いい香りを感じてください。ここちよいものに触れた時に、ここちよいを感じてください・・・。そう、考えるのではなく、その感覚を感じてください。」

映画のスターウォーズのことではない。「感覚で物事をとらえることができるようになるには、どうしたらいいのでしょうか。」と言う質問を受けた時は、こう答えることにしている。実はこれ、今から7年も前に受けたセミナーの受け売りだ。女流朗詠家元の講師が、「感性で物事をとらえて、感性で人に伝えることが経営者に必要だ。」との話の中で、「感性をどうしたら磨けるか。」を説明した時の言葉である。芸術セミナーなどではない、れっきとした経営セミナーである。

----------

そのころ私は、自分の感じた感性をまわりの社員に理解してもらえず、ひどく困っていた。当時、私が所属する企画部以外のすべての社員が、「自分の感覚でしか判断できない人」だったのだ。だから、いくらユーザーの感覚を説明しても、「そう思うのは、あんただけだよー。」という具合である。そのうち、自分の感性すら信じられなくなってしまうありさまだった。そんな時に、この話を聞いた。

このセミナーで、初めて感性のことをまともに対話できる人に出会った。同じセミナーの空手家の講師が、「経営者は無意識の感性で物事をとらえれば、自(おの)ずと結論が見えてくる。」とも語った。これら講師の話は、ふだん私が感じてはいても回りに理解されなかったことに他ならなかったのだ。もっとも、同じ会場にいた他の参加者たちは、「なんのこっちゃ。」ていう顔をしながら聞いていたのだが。

彼らの話は、「感性を極めると、いったい何ができるのか。」についてである。つまり、感覚を鋭敏に研ぎ澄ますと、ふだん感じられなかったことまで感じられるようになり、物事を判断したり相手に伝えることが的確にできると言うことだ。そして、判断如何(いかん)で社会的な影響が大きい経営者ほど、その能力が求められると言うのだ。だが、経営者すべてが鋭い感性の持ち主とは限らない。冒頭の「感性をどうしたら磨けるか。」を説明した言葉がその答えである。

ところがこの感性、磨いてもすべての人が鋭くなる訳ではないようだ。いくら練習してもできないことは、世に幾らでもある。では、そういった経営者はどうしたらいいのか。講師の答えは、明解だった。「鋭い感性を持った人を側近に置きなさい。判断に迷った時は、彼に聞きなさい。」である。

----------

そう言えば、世の有数な企業は、いずれも経営者の側近の尽力で成長してきた。彼らは実は、たぐいまれな感性の持ち主だったのかも知れない。(経営者の感性が乏しかった訳ではないだろうが・・・。)



※後日談---経営者は、できるだけ多くのことに接して、見て、聞いて、読んで、食べて、嗅いで、触って、感覚を養わなければならないらしい。だが、贅沢することではないようだ。それでは、ユーザーの感性に程遠い。


home.html
column7.html