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■1. ハイテク企業、ローテク企業。 ■2. コマンドZな電卓。 ■3. キャラポンな製品。 ■4. 他人の感覚で判断できる人、自分の感覚で判断する人。 ■5. 自分の感覚でしか判断できない人。 ■6. 経営者に求められる感性。 ■7. 経営者と企画開発部。 ■8. クレーマー、カスタマー。 ■9. もっとも強いものづくり。 ■10. 既存技術の融合。 ■11. 要望のないアンケート。 |
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| ■ラフィールドの考える「これからの企業と製品」をコラムシリーズとしてお伝えしていきます。 なお、ご意見やご質問がございましたら、お気軽にinfo@lafield.comへお問い合わせください。 |
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■3. キャラポンな製品。
雑貨などの業界で使われる造語に「キャラポン」と言う言葉がある。すでに市場に流通している製品に、キャラクターを「ポン」と載せただけでできあがってしまうから、「キャラポン」となる。手っ取り早く新製品を「ポンポン」量産できる意味合いもあるようだ。この「キャラポン」、実は膨大な量が販売されており、例えば有名な白いネコのキャラクター関連だけで、メーカー売上高が数百億円にもおよぶという。 製造メーカーにとっては、いままで自社ブランドやノーブランドで販売してきたより「キャラポン」した方が遙かに売り上げがアップする。(たまに、大いに転けることもあるらしいが。)だがこの「キャラポン」、思わぬ落とし穴があるのだ。 すでに市場に流通している製品にキャラクターを「ポン」と載せるだけだから、当然同じような製品を販売しているメーカーが複数あれば、ヒットしそうなキャラを先に「ポン」と載せて発売した者勝ちとなる。しかも、キャラクター製品の寿命はせいぜい数ヶ月と極めて短いから、次から次へと新製品を発売しなければならない。開発に時間がかけられないから簡単に開発できる製品が主体となり、製品本来の独自性や優位性が薄れて行く。 すると、新たな競合相手が参入してくる。簡単に開発できる製品になったからだ。これらを出し抜くには、さらに開発サイクルを短くして他社より早く発売しなければならない。ますます開発がおろそかになり、いつも同じ製品にキャラだけを替えて発売するようになってしまう。気が付くと、どこでも作れる製品ばかりとなる。価格の下落も加わり、後は体力勝負だ。突然、有能な開発部員がごっそり辞めたりする。製品に魅力がなくなり、会社の先行きが見えなくなってしまったからだ。 ---------- ここで、ある雑貨メーカーの例をご紹介する。このメーカー、新規オープンするテーマパークのキャラクター製品を請け負った。テーマは7つ。普通のメーカーなら、先方から渡されたアート(キャラクターの元デザイン)を載せるだけで作成してしまうところだが、このメーカーのこだわりは半端ではなかった。 例えば、その中の一つはこんな具合だ。製品コンセプトは、20世紀初頭のニューヨークの港。近代化が進み、モダンでハイセンスだった都会。今となっては古き懐かしき時代。ここで売られるキャラクター製品である。もちろん、既存の製品に「キャラポン」すれば簡単にできてしまうかも知れない。だが、このメーカーの開発メンバーは、その背景に徹底的にこだわった。 この製品を構成する要素は、大まかに3つに分かれる。中身と容器とパッケージだ。中身は、いくら古き懐かしき時代がテーマでも、今のユーザーに満足してもらわなければ意味がない。これには、現在の市場と消費者の動向を綿密に調べあげた。結果、都会的だが女性に受け入れられるユニセックスなものになった。 容器は、20世紀初頭のニューヨークを感じるものとした。素材は、金属とガラスである。これには、20世紀初頭の文化を周到に調べあげた。結果、ア−ルヌーボー(19世紀末〜20世紀初頭)の曲線とアールデコ(1910年代〜1930年代)の直線が微妙にミックスするデザインとなった。また、当時やっと量産技術が確立(19世紀末頃)され、最先端の金属として急速に普及し始めた無垢のアルミ材を全面に使用した。 パッケージは、港を感じるものとした。当時の船積み状態を調べあげ、焼き印した木箱に木毛(もくもう:糸状に切り出した木くずの詰め物)が適切だと分かった。だが、コストから紙以外は使えない。そこで、舞台などで使われる書割(かきわり)のように、焼き印した木箱を紙の上でリアルに再現した。木毛も紙で再現した。 こうしてできあがった製品は、すでに「キャラポン」とはまったく異なった次元のものとなっていた。まるで、その時代からわざわざ持ってきたような錯覚を起こさせた。他の6テーマも同様にこだわって、すべて作りあげた。これらの製品、初回ロットの数倍もの追加発注があったそうだ。 ---------- コレクターやマニアでなくても、かわいいキャラクターが付いているだけで思わず手に取ってしまう。だが、ほんとうにユーザーが望むのは、製品そのものに満足できることではないだろうか。製品の満足度とキャラクターでは、本質が異なるのだから。 ※後日談---残念ながら、テーマパーク側の都合で、発売直前に木箱のパッケージは変更になってしまった。製品の完成度が高かっただけに、実にもったいないことをしたものだ。 |
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