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■1. ハイテク企業、ローテク企業。 ■2. コマンドZな電卓。 ■3. キャラポンな製品。 ■4. 他人の感覚で判断できる人、自分の感覚で判断する人。 ■5. 自分の感覚でしか判断できない人。 ■6. 経営者に求められる感性。 ■7. 経営者と企画開発部。 ■8. クレーマー、カスタマー。 ■9. もっとも強いものづくり。 ■10. 既存技術の融合。 ■11. 要望のないアンケート。 |
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| ■ラフィールドの考える「これからの企業と製品」をコラムシリーズとしてお伝えしていきます。 なお、ご意見やご質問がございましたら、お気軽にinfo@lafield.comへお問い合わせください。 |
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■4. 他人の感覚で判断できる人、自分の感覚で判断する人。
「企画は、考えるだけで仕事になるんだからいいよな。」とか、「企画の連中は、1日中ショップや雑誌を見て遊んでいるだけじゃないか。」なんてことをよく耳にする。とかく、他の部署からのやっかみが多いのが、メーカーの企画部員の悩みでもあるらしい。中には社長自(みずか)ら「手が動いてない企画部員は怠けている。」などと言い放つとんでもない企業もあったりする。まだまだ、日本の企業レベルは低いようだ。 それでは、企画部員と一般社員の違いは何だろうか。なぜ、企画部員は、1日中ショップや雑誌を見なければならないのか。はたまた、ほんとうに考えるだけで仕事になるのだろうか。今回は、分かっているようであやふやな「企画の仕事」について解説してみたい。企画の人選しだいでは、企業の存続すら左右される場合もあるのだ。 企画部員には、大きく2つに分類される。「他人の感覚で判断できる人」と「自分の感覚で判断する人」だ。詳しい調査をしてないので確定はできないが、いままで見た企業例からすると「自分の感覚で判断する人」が大多数を占め、「他人の感覚で判断できる人」は極少数と言えよう。では、この対極する両者とはいったいどういうことか。具体的な例でご説明しよう。 ---------- 渋谷のマルキュー(109)。カリスマ店員自らが企画した衣服が爆発的に売り上げを伸ばし、中高校生が連日押し寄せた。だが、カリスマ店員達は企画の素人だったにもかかわらず、なぜ衣服が売れたのか。答えは、彼女達自身がユーザーそのものだったからだ。つまり彼女達の「自分が気に入るか」で判断することと「ユーザーが気に入るか」とが、たまたま重なっていたからだ。 このような企画の製品は、実は数知れない。なぜなら、自分の好き嫌いを元に判断できるから、非常に作りやすいのだ。これが、「自分の感覚で判断する人」の企画である。ところがこの方法、とんでもない落とし穴がある。自分と年代や嗜好の異なる世代には通用しないのだ。先程のカリスマ店員の場合、年を追うごとに年令も上がり、やがて自分とユーザーの感覚がズレてくる。こうなると、もう自分の好みは通用しなくなってしまう。 この「自分の感覚で判断する人」の企画が決して悪いわけではない。自分がユーザーの代弁者だから、とても細かいところまで判断できるからだ。問題なのは、その製品のユーザーと企画部員の感覚が合致しているかと言うことだ。もしユーザーが20代前半だとしたら、常に同年代の企画部員を補充しなければならない。だが、年を経た企画部員は、現場に立つことができなくなってしまう。 ---------- 一方、渋谷のキューツー(109-2)。アパレルメーカーが企画した小中学生向け衣服が、やはり爆発的に売り上げた。当然、これらを企画したスタッフとユーザーの年代や嗜好は異なる。では、なぜ年代や嗜好の異なる企画が可能なのか。まさにこれが、「他人の感覚で判断できる人」の成せる技なのだ。 もしあなたが、小中学生の好みを知るとしたら、何をするだろうか。直接聞く、アンケートを取る、雑誌を読む、ショップを回る・・・。なんだか、なんとなく分かった気がしてくる。では、小中学生が好む企画を作成するとしたらどうか。たぶん、お手上げになってしまうだろう。なぜなら、彼らの感覚を理解することができないからだ。もちろん、流行のうわべだけを真似すれば、そこそこの企画ができるかも知れない。だがそれでは、いつまでも物真似メーカーになってしまう。 では、「小中学生の感覚を理解すること」とは、いったいどういうことか。それは、彼らの感覚を共有することに他ならない。彼らがかわいいと感じるものを自分もかわいいと感じられ、彼らが面白いと感じるものを自分も面白いと感じられることである。つまり、彼らと同じものを見たり聞いたり読んだり食べたりしたとき、彼らと同じ感じ方ができることだ。普通の人にできる訳がない。 ご存じかも知れないが、企画のプロの多くは芸術系の出身者である。なぜか。彼らが、人並み外れた感性の持ち主で、非常に優れた感覚を持っているからだ。感覚の訓練を積んだ彼らには、感覚で物事をとらえることができる。つまり、感覚的に「ここちいいか」「ここち悪いか」を判断できるのだ。だから、年代や嗜好の異なる世代の「ここちいい」が、どんな感覚か分かるのだ。 しかし、彼らとてスーパーマンではない。突然なんの資料もなしに、ユーザーの感覚を理解しろと言っても無理な話である。だから彼らは、常に世の中にアンテナを張り巡らせて感覚を自分に取り入れなければならない。冒頭の「企画の連中は、1日中ショップや雑誌を見て遊んでいるだけじゃないか。」とは、このためである。また、「企画は、考えるだけで仕事になるんだからいいよな。」は間違いだ。彼らは、頭の中にユーザーの感覚を再現して、ユーザーだったらどう感じるかをシュミレーションしているのだ。 ---------- もしあなたの会社の企画部員が「自分の感覚で判断する人」ばかりだったら、早急に「他人の感覚で判断できる人」を引き抜くべきだ。ユーザーの感覚と企画部員のそれがズレてしまう前に。 ※後日談---この、感覚で物事をとらえることができる人は、異なる分野でも同じ能力を発揮しやすい。とんでもなく旨い料理をつくれたりする。魯山人(ろさんじん:書、陶芸、絵、料理など多くの分野で天才的な才能を発揮した芸術家)がいい例だ。 |
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